チンキー・マホエはハワイのリーダー的クムフラ(フラの師匠)で、彼のハラウ(教室)はメリー・モナークでの優勝を含め、フラコンテストで数々の賞を受賞している。1954年10月24日、オアフ島カイルア生まれ、カイルア在住。

フラとの出会い

マタタビ:いつ、どうしてフラを始めましたか?

クムフラ:
なぜ?ハハハハ(笑)。そうですね。どうしてかな?友達のひとりが習いに行っていたので彼についていって。思った以上にフラに夢中になり、それ以後ずっと練習していました。これも偶然なのですが、僕が12歳のときに初めてコンテストに出ることになりました。1976年のことです。

マタタビ:フラにはスタイルやグループといったようなものはありますか?

クムフラ:
フラにはそれぞれのグループ独自のスタイルやテクニックというものがあります。例えば僕のフラのスタイルでは、女性はとても優雅で腰を低くして踊ります。他のスタイルの一部ではあまり膝を曲げずに、腰の位置が高い状態で踊る所もあるのです。僕のスタイルでは男性にはパワフルで動きがダイナミックです。他のグループでは動きがゆっくりだったりします。先生によってスタイルは変わるのです。




マタタビ:あなたのスタイルの名前は?

クムフラ:
名前は特にありません。でも見ている人はカラパヴァイ・スタイルだと言いますよ。でもそれは僕らの名前ですから。




マタタビ:それではスタイルの名前はあなたの名前になるということですね

クムフラ:
ハラウ(教室)の名前です。その教室の名前がスタイルの名前になるのです。




クムフラとして

マタタビ:クムフラになったのはいつですか?

クムフラ:
フラを教え始めたのは1979年の11月です。だから先日の11月で26周年を迎えたことになります。

マタタビ:とても長い年月ですね。

クムフラ:
とても長いことやってますよ。

マタタビ:どうしてクムフラ(フラの師匠)になろうと思ったのでしょうか?

クムフラ:
なろうと決めたというより、むしろ自然の成り行きで。当時、カヌーのパドリングのコーチをしていました。そのパドリングチームのメンバーで高校のパフォーマンス・グループに所属している子がいたのです。
そしてその子に頼まれて高校生にフラを教えました。それが僕がフラを教え始めたきっかけです。彼らが最初の生徒ということになりますね。彼らのレッスンが終わった後も僕がやりたかったことはこれだ!という気がして、教え続けました。そうやって少しずつキャリアを積んでいったのです。




  マタタビ:どのくらいの割合でクラスを持っているのですか?

クムフラ:
週に2回です。ここに月曜日と木曜日に集まっています。

マタタビ:どういった人がレッスンを受けにきますか?

クムフラ:
いろいろな国籍の人がいますよ。島中から生徒が集まるのです。ほとんどはカレッジに通っている学生です。高校生はあまり多くないですね。このレッスンを始めたばかりの頃はみんな若かったのですが、最近ちょっと年を取ってきましたよ、ハハハ(笑)。

マタタビ:生徒の男女比は?

クムフラ:
ほとんどが女性ですね。男性も少しいますが。でもこのレッスンに通う生徒は多くはないのです。少人数制の方がいいので、そうだな、今は全体で40名ほどのダンサーがいるといった程度ですよ。このレッスンは男女一緒に行ってしますが、他には大人向け、シニア向けなどといったレッスンもあります。
     

ミュージシャンとして

マタタビ: クムフラ以外で何かしていることは?

クムフラ:
音楽を演奏しています。歌ったりしてますよ。3人グループでやっていますが、ハワイアンをパーティやショーのために演奏しています。

マタタビ: スタッフからCDを出していると聞いています。

クムフラ:
1枚。発売されてから恐らく3年くらいになると思います。それに他の人が出したCDにも僕が出ているものがあるんですよ。

マタタビ: CDのタイトルを教えてもらえませんか?

クムフラ:
カラパヴァイ・ク・ウ・オネ・ハナウ。

マタタビ: ハラウの名前ですね。

クムフラ:
ハハハ(笑)。難しいでしょう。書いてあげましょう。この意味はね、まずカラパヴァイは僕が生まれた所。

マタタビ: カラパヴァイとはどこですか?

クムフラ:
カイルアビーチのある地区です。

マタタビ:カイルア・コナではなく、カイルア・ビーチのほうですね。





クムフラ:

コナじゃないよ。ときどきコナ宛に郵便を出すことはあるがね,ハハハハ(笑)

マタタビ:
あなたにとってフラとは?


クムフラ:


クムフラにとってフラとは

マタタビ: 良いフラダンサーになるために必要なこととは?

クムフラ:
フラを踊っている人に僕がよく言うのは、言葉の意味を理解せよということです。何について踊っているか理解するという意味ですね。

マタタビ: それは歌詞が何について語っているかということを理解するということですか?
クムフラ:
そう、歌の内容です。動きが意味していることは歌詞の内容です。だから花について歌詞が歌っているとしたら、実際に花を見ているように花を心に描いて踊ります。動きだけに追われてはいけない。教えられた通りに動きを覚える人が多いのです。
大切なのは動きの意味する所を理解し、その上で動くことです。そうすれば花は単なる花を表す動きでなくなるはずです。
マタタビ:お話をうかがっていると、もし私がフラを習いたいと思ったら、まずはハワイの言葉を習わなければならないと思ってしまいますが。

クムフラ:
それは違う。言葉から習うことはありません。僕だって単語を知っていますが、流暢にハワイ語で話すことはできません。でも歌の内容は理解できます。僕が日本の歌を聴いたら、もちろん歌の内容すべては分かりませんが、知っている単語から他の部分を想像することができるでしょう。それと同じことです。僕の日本語よりはちょっとは分かった方がいいかな?ハハハハ。
要は言葉から想像力を豊かにしてイメージをつくり、それが動きと連動するということが大切なのです。歌詞に耳を傾け、それが動きにつながるようにするのです。

マタタビ: 最近日本でもフラはとても流行って有名になりました。この現象についてどう思いますか?

クムフラ:
全く異なった文化に新しい文化が取り入れられることは素晴らしいことだと思いますよ。 日本の人々や文化がハワイを受け入れてくれたように。
僕たちはそういった動きに感謝し、フラに参加してくれることを嬉しく思います。それは日本でもメキシコでもヨーロッパでも同じことで、僕らは世界中にフラを広めようとしています。
日本で50万人くらいでしょうか、フラを踊っています。年齢の壁もなく、40歳やそれ以上の歳の方がおよそ35万人も登録してくれています。 だから僕は土曜日にもう一度日本に行きますよ。今度の旅は今年8回目です。

マタタビ:日本のフラダンサーにアドバイスをお願いします。

クムフラ:同じようなことになるけれど、ダンスの内容を理解し、それをきちんと表現できるようになって欲しいですね。表情や感覚で表現し、上辺だけの動きでなく心で踊ってもらいたい。



マタタビ:では最後の質問になりますが、将来の目標や夢は?

クムフラ:
うーーん、何だろうな。そうだ!旅を多くしたいですね。今までに行ったことのないヨーロッパなどに。そして僕のハラウを広め、ヨーロッパでもダンスを披露したいと思っています。日本には何度も行きましたし、アメリカ本土にも行っています。だからできればヨーロッパに行ってフラを広めて行きたいと思います。

 
編集後記
有名な方だということで緊張気味で臨んだインタビューでしたが、簡単な単語を選んで、ゆっくりと一言一言を語ってくださったクムフラ、チンキー・マホエさん。静かな口調の裏には、フラを愛おしむ気持ちが見え隠れしていました。
インタビュー後、レッスン風景を撮影させていただくことになりましたが、その練習は息を呑むものだったのです。ピンと張りつめた雰囲気のなかで響くのはクムフラの叩く太鼓の音、また、ある時は生徒さんが朗々と唱えるチャント。そこにはスピリチャルな域まで高められた本当のフラがありました。
鳥肌がたつほど感動したマタタビチームは、この貴重な機会を与えてくださったクムフラに深く感謝したのでした。ありがとうございます。
弟子のひとり、チナツ・アーモンドさん。何度も頼み込んで弟子入りしたそうです。
ひたむきにフラに取り組む彼女の姿には打たれるものがありました。今後の飛躍に期待!
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